ふっ、と嫌な胸騒ぎというか。

妙な気配がして目が覚めた。

そのままの体勢で、首だけ動かして周囲を確認する。

特に違和感はない。

逆に、あっても困る。

カーテンの隙間から差し込む光に顔をしかめつつ、隣で眠る恋人に目をやる。

全裸だ・・・・・・・・・俺もだが。

まぁ昨晩に何が起こったかは各々で補完しておいてほしい。

そして意識が鮮明になってきた所で、嗅覚も本格的に機能してきたらしく。

昨日の情事を思わせる、特有のニオイが俺の鼻を付く。

そういえば後始末をしていなかった。

・・・まぁモトを正せば、それは俺のせいでもあるのだが。

簡単に言うと、たまにはタチウケ交代してみるのもいいんじゃないかという俺の提案で。

そのまま1ラウンドしたところで、俺がへばってそのまま寝てしまったというわけだ。

ウケってのは思った以上に疲れるもんだ。

明日からは元に戻そう。

そして、しばらくはしない。

絶対。

もしかしたらさっき感じた違和感は、この疲れによるものか、それともこの雄臭さかもしれない。

普段はちゃんと俺が後始末をしてから寝るからな。

こいつが先に寝ようが意識飛ばそうが、それだけは欠かさなかった。

と、それはいいとして。

どうにもこの臭いが寝起きにはしんどいので、早急に片付けなりシャワー浴びるなりしたいのだが。

とにかく、尻が痛い。

ピリピリした痛みが邪魔をして、立ち上がろうとする気力を奪う。

なんとも情けない、たった一晩で動けなくなってしまうとは。

レイジはいつもこんな調子だったという事なのか。

それにしてはもっと元気だったようにも思えるんだが。

どこか満足げというか、気持ち良さそうなレイジの寝顔。

悪戯心を擽られたが、流石に気持ち良く寝ている所を起こすのは悪い気がしたから・・・・・・なんて思うのは、惚れた弱みってやつなのだろうか。

それでもこのまま何もしないのは面白くなかったので。

この尻の痛みが無くなったら、倍にして返してやろうと思う。