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災い転じて 第一話


「おトイレ、どこ。どこなの?」
 イーブイはトイレを探して、家中をさまよい歩いていた。
 トイレのある場所はわかっている。
 しかし、いくら歩いてもその場所にたどり着かないのだ。
 何かがおかしい。
 家がこんなに広いはずがない。
「おしっこ。もう、もれちゃうよぉ。おしっこ」
 ぎゅうっとおしっこの出るところを前足で押さえる。
 お股が電気ショックを受けたように、しびれた感じがする。
 やがて、おしっこの袋に入りきらなくなった水が、少しずつあふれ出てきた。
「やだ、やだよー。おもらしなんてやだー」
 前足に力を入れるが、こぼれ始めたおしっこは止まらない。
 とうとう袋に穴が開いたみたいに、水が勢い良く流れ始めた。

「ふ、ふぁ、ふわあああああん」


(2009/11/09 23:20)
 

 
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