災い転じて 第二話ハッ、として目が覚める。 そこは、ぼくがいつも寝ているクッションの上だった。 「あ、あれ。夢……だったのかな」 寝ぼけ眼であたりを見回す。 も、もしかして! ぼくは目をカッと見開いて、クッションに落とす。 「ほっ」 どうやら、おねしょはしていないようだ。 しかし、おしっこの袋はもういっぱい。 ぼくは急いでトイレに向かうことにした。 「はやくはやく、もっちゃうよ」 今度は何の問題もなく、そこにたどり着くことができた。 いつも使っている、ポケモン用の砂トイレ。 「よかった、間に合ったみたい」 ぼくはおしっこをする体勢に入った。 「イーブイ! そこで何してるのよ!」 急にご主人さまの叫び声が聞こえた。 「何って、おしっこですけど」 「どこでやろうとしているのかわかってるの!」 そりゃもちろん、トイレ。 「……えっ」 ぼくがいるのは、さっきまで寝ていたクッションの上だった。 (2009/11/13 23:50)
|