ターくんの特別な日3 (……ご主人が帰ってくる前に乾かさなきゃ) ターくんは、もじもじと後ろ足を擦り合わせながら、濡れて変色したクッションを咥えて、ケージの隅へ移動させました。 (熱い息を当てれば、すぐに乾くよね?) ターくんは、まだ上手に炎を吹けませんが、ドライヤーのような熱い息を吹くのは得意です。クッションから少し離れて、大きく息を吸いました。 『しゅぃぃぃ……』 (わぁ! だっ、ダメー!) お腹に力を入れたことで、おしっこが飛び出してしまいました。慌ててクッションに飛び乗り、後ろ足の間を密着させます。 (はぁ……はぁ……!) ターくんは腰を動かして、おしっこを止めようと一生懸命がんばります。しかし、クッションは少しずつ変色を広げていきました。ターくんの目から、熱いものが込み上げてきます。 (もうだめぇ! おしっこ、我慢できないよぉ!) そんな時、ターくんは思い付きます。 (少しだけ出して、後でまとめて乾かせば……) そう思うが早いか、ターくんは震える後ろ足に力を入れ、ゆっくりと腰を浮かせました。 『じゅうぅぅぅーーー』 すぐさま、クッションの中に、おしっこの注がれる音が響きました。我慢に我慢を重ねたおしっこは、最初は勢いがありません。ターくんの体中に、なんともいえない感覚が広がります。 (はぁ〜〜〜……) 『しゅうぅぅぅーーー』 時間が経つにつれて、少しずつおしっこの勢いが強くなり、音が変化しました。ターくんは「少しだけ」で止めることなんて、すっかり忘れていました。ただただ、その快感に身を委ねるだけでした。 『しゅうぅぅぅ……』 長かった放水音も徐々に小さくなり、それが完全に消えると、ターくんの体がブルッと震えました。 (あー、気持ちよかっ……た!?) ターくんは我に返りました。クッションは、水浸しでずっしりと重くなっており、吸い込めなかったおしっこが床に広がっています。熱い息を吹きかけたところで、とても乾かせそうにありません。 ターくんは怖くなって、小屋の中へ駆け込みました。 (これは夢だ。悪い夢なんだ……) ターくんは丸くなってギュッと目をつぶりました。 30分後、再びターくんの体が小さく震えました。薄目を開けて、涙をにじませます。 (どうしよう。また、おしっこしたくなっちゃったよぉ……) |